宅配に必須のエントランス設備で空室対策

空室対策と聞くとつい室内に目が向きがちですが、意外と見落とせないのが共用設備のアップグレード。中でもエントランスは物件の顔、費用対効果の高さも見逃せません。

■「通販」「宅配」が当たり前の時代

昨今の物流の変化は目覚ましく、総務省の発表によれば、インターネット通販の利用世帯割合は、この5年で1.56倍の39.2%に増加。全国の宅配便の取扱い個数も、この5年間で36億個から43億個に増加したと国土交通省が発表しています。加えて、今回のコロナ騒動で通販・宅配需要はさらに拡大。ヤマト運輸の取り扱い荷物数が前年比1.2倍になるなど、「通販」「宅配」という買い物スタイルは、もはやスタンダードといえます。
そんな時代に必要なエントランスの2大設備といえば、「大型郵便対応型メールボックス」と「宅配ボックス」です。


■設備刷新による空室対策効果

このような状況だからこそ、生活の質を向上させる両設備のニーズは高まっています。特に宅配ボックスは、お部屋探しサイトで検索する際の必須条件とする人の数も増加の一途。SUUMOの検索結果(2020年6月・東京都の賃貸物件対象)では、公開942,898件のうち「宅配ボックスあり」の選択で表示される物件は455,987件と、なんと48.3%に! 需要はもちろん、宅配ボックスが「定番化」しつつある実情がうかがえます。

仮に10世帯の物件を想定した場合、ボックス適正数は2〜3個、本体と工事代で10万〜20万円が相場。仮に15万円とすると一部屋あたり1.5万円、月500円の賃料アップが叶えば2年半で回収できる計算となります。

また、「通販」「宅配」環境の整備は、新規顧客だけでなく既存入居者の満足度向上も期待できます。一度「価値がある」と感じると手放せなくなる心理的効果が働けば、新規・既存の両面から稼働率改善が望めるのではないでしょうか。

2020年08月03日