理想の対策サイクルは5年!? シロアリから大切な建物を守る

暖かく過ごしやすい日が増えてきましたが、春はシロアリのような「害虫」の動きも活発になる季節。たとえば、日本全国に生息するヤマトシロアリは4~5月が「羽アリ」となって飛び立つシーズンであり、これまで倒木や地面の下で大人しくしていた個体が、狭くなった巣から新天地へと移動を開始し、人の目に触れるところに現れます。

たとえそれが建物の木材の中であろうと、巣作りに適した場所を見つけたシロアリは繁殖して食害を始めます。シロアリは柱や基礎部分、浴室など、木材があるところ全てに侵入する可能性があるので、木造でないから大丈夫とは限りません。金属やタイル等で覆われた場所にも思わぬ隙間から入り込むので、大切な建物を守るには、徹底した防除策が不可欠です。

湿気と暗がりに要注意。4つのシロアリ防除策

① 木材に巣食っているシロアリを薬剤で駆除する
② 木材に薬剤を注入し、シロアリが食べられないようにする
③ 木材表面を薬剤でコーティングし、シロアリの侵入を防ぐ
④ 地中に巣を作られないよう、土壌への薬剤処理を行なう

特に重要なのが地中や床下からの侵入の防除です。光や風を嫌い、暗がりと湿気を好むシロアリは、大抵は付近の営巣地からトンネル(蟻道)を掘って入り込んでくるからです。よって、アパートの敷地内に木材や木の杭、ダンボール、切り株などを雨ざらしで放置しておくのはNG。それらがシロアリの営巣地となり、ゆくゆくの侵入経路となりかねません。

対策実施は薬剤の効果が薄くなる5年サイクルが望ましいとされますが、それなりの費用が高頻度で発生することにもなるため、まずはご自身で床下を覗いてみるのもいいでしょう。ただし、蟻道や食害の痕跡らしきものを見つけてしまったら、直ちに専門業者の手配を。また、シロアリ被害の発生しやすい地域では、最初から点検費を定期メンテナンス費として運営計画に組み込んでおくのも手です。

2021年03月10日