遺言書の前に手軽に始める「エンディングノート」
いつ何が起こってもおかしくない世の中、「自分がいなくなった後のことを整理しておかないと…」と考えつつも、相続対策や遺言など何をどうしたらいいのかと迷われている方も多いのではないでしょうか?そんな方におすすめなのが「エンディングノート」です。
◆手軽に自由に伝えたいことを伝えられる
エンディングノートとは、もしものときに備えて、自分の情報や想いをあらかじめ書き留めておくノートのことです。ゼロから手作りもできますが、最近は書きやすく工夫された既製品が書店などでも販売されていて、インターネットで検索するとさまざまな特色を持った商品がずらり。まずは気負わずに、自分好みのノートを探してみると良いでしょう。
既製品のエンディングノートは、最初から「最低限この情報は必要」という項目が用意されているものが多く、質問に答えたりチェックマークを入れたりするだけで簡単にノートを完成させられます。家族や親族の連絡先、葬儀やお墓について、金融機関の情報、大切な人へのメッセージ…、ノートがあることで心情的にも実務面でも遺族が安心できるでしょう。
なお、たとえ存命中でも、認知症や病気の進行によって、自分で手続きや意思決定ができなくなる可能性はあるものです。かかりつけの医療機関や介護についての情報も記載できると尚良しです。
◆法的効力はなくとも情報の影響力は大
エンディングノートの注意点は、その取り扱い方や保存の方法です。遺言のような法的効力はありませんが、記載内容は重要情報の塊。悪意ある人に不正利用されたくありませんし、かといって厳重に隠しすぎて遺族がノートを見つけられないのでは本末転倒です。本当に信頼できる人だけにその存在を伝え、保管方法を工夫しましょう。
一方、法的効力がないぶん、エンディングノートに何をどう書くか、何を伝えるかは本人の自由です。まずはご自身の想いを自分なりに書き起こし、またノートを作るなかで情報を整理して、今後の相続対策の足掛かりとしてみてはいかがでしょうか。