建物の第一印象を改善して入居率アップする3つのヒント

物件の「第一印象」は入居率にも影響を与えるもの。物件との出会いが良い印象で始まれば、内見もポジティブな気持ちで進み、入居へと気持ちが傾くことが期待できます。反響を増やし、内見を成功に導くための第一印象づくりを考えてみましょう。

【外壁塗装で外観を大胆イメージチェンジ。範囲を絞ればコスト削減も】
 物件の第一印象を変えようと考えた際、まず思いつくのは外壁塗装です。汚れやひび割れが放置された状態は言語道断、古臭さやくたびれた印象を与えてしまう外観は入居率に悪影響を及ぼします。たとえ築古の物件であっても、きちんとメンテナンスされていれば内見者は悪い印象を持たないものです。外壁塗装は面積が広いため、費用がネックとなりがちですが、防水性の面から10~15年に一度は塗り直しが必要なことを考慮すれば、メンテナンスとイメージ刷新を同時に実施し、コスト削減効果を狙うのも優れた選択でしょう。
 外壁の色を大きく変更する際は、全体を単色でシンプルに仕上げた上で一部にアクセントカラーを加えてみたり、1階と2階で色を分けてツートーンにしたり、とアイデアは様々。色はドアや屋根、周囲の建物との相性を考慮して決めていきましょう。メンテナンスと同時に施工できず予算が厳しい場合、エントランスや玄関扉、階段の鉄部など、範囲を絞って目立つ箇所だけを塗り替えるのも手です。


【伸びっぱなしの植栽はNG。建物まわりは清潔感重視でこざっぱりと】
 特に夏場はあっという間に伸び放題になってしまう植栽。敷地内に雑草が生い茂っていたり、生垣の枝葉が伸びすぎていたりすると、内見者の第一印象を損なうだけでなく、以下のような厄介事まで招き入れかねないため注意が必要です。

植栽の手入れが不十分だと… ・物件全体の景観を損なう
              ・虫や小動物が棲みつく
              ・ごみをポイ捨てされる
              ・死角が増えて泥棒や放火の危険

建物まわりの美観の維持には敷地内の小まめな除草・植栽の剪定が欠かせませんが、手間とコストを省くなら、除草剤を撒いて防草シートを敷き、その上に砂利を敷き詰めるような恒久的対策を講じるのも手。その際、外壁の色に合わせたカラー砂利を使用すれば、統一感が出て、一層のイメージアップも期待できます。

【見た目だけじゃない!建物にマッチした入居者に好まれる物件名に】
 第一印象を決めるのは、なにも外観ばかりではありません。「物件名」もまた、内見者の心理に少なからず影響を与えます。見た目とちぐはぐの名前だったり、あまりに古い印象の名前の物件は、同じような条件の「ちょっとオシャレな名前の物件」にお客を取られていないか要確認です。
 さらに言えば、物件名は住所の一部。書類に書くには長過ぎる名前や恥ずかしくなるような名前では、やはり入居者は嫌がるでしょう。物件名で無意識に敬遠されている可能性があるなら、実にもったいない話です。入居者・ライフライン業者等への通知の手間はかかりますが、名称変更自体に大きなコストはかかりません。建物の「館銘板」の更新は必要になるので、この際、物件の格・清潔感・安心感などが伝わるものを設置しましょ
う。良い名前が思い浮かばない場合は、ターゲット層に近い人の意見を聞いてみたり、管理会社に相談してみるのもいいですね。

 「一度与えた第一印象をやり直すチャンスは二度と訪れない」という諺がアメリカにあります。第一印象が悪くて入居者を逃してしまう前に、物件を客観的に見直してイメージアップのポイントを探ってみてはいかがでしょうか。

2020年09月14日