ちょっとした工夫で競合物件に差をつける! アクセントクロス活用術


比較的安いコストで高級感やオシャレ感が演出できる「アクセントクロス」は、今や空室対策の定番商品ともいえます。訴求力や家賃UP、家賃下落防止など、価値向上を叶えるための活用方法の基本と応用編をご紹介しましょう。

◆入居者に響くデザインや機能を選べる

アクセントクロスとは、色や柄の強いクロス(壁紙)をアクセントとなるように使用して、お部屋全体のデザイン性を高める手法のこと。ベーシックな量産型クロスではなく、色や柄の豊富な、業界で言う「1000番クロス」を使用することで、コンセプトやターゲットとする入居者層に合わせたお部屋作りができます。

また、デザイン性に長けているだけでなく、汚れがつきにくく落としやすい、傷に強い、消臭効果がある、といった特別な「機能」の付加された商品バリエーションも。子育て世帯向けやペット可物件など「傷」「汚れ」「におい」が気になりやすい部屋と組み合わせれば、よりターゲットに訴求しやすく、利便性にも優れたお部屋が構築できるでしょう。

気になる費用は、量産型クロスと比べて1.2~1.5倍程度。クロスの張り替えだけ行うと人件費のぶん高くなりますが、原状回復工事と同時であれば低コストで導入できます。

◆壁の一面だけ、または敢えて狭い空間に使って印象的に

アクセントクロスの最も基本的な使い方は、居室の壁一面だけに貼るポイント使い。貼る場所、柄、色を一工夫することで、内見者にオリジナルの印象を与えることも可能です。

応用編として、例えば敢えて狭い場所に限定した使用方法も。キッチンやトイレ、洗面所、洗濯機置場、クローゼットの中など、狭い空間に強い印象のクロスを施工しワンポイントとして見せることで、内見者に強いインパクトを残します。

貼る面積を狭くできるため、施工のコストも割安に。アクセントクロスで部屋全体の印象をがらりと変えてしまうことに抵抗のある方にとっても、狭い空間からなら導入しやすいでしょう。

◆デザインと実益を兼ねる腰高アクセントクロス

壁の全面ではなく、半分だけアクセントクロスを貼る、という方法もあります。腰高アクセントクロスは、床から1mくらいの高さに見切りを取り付け、その下部にデザイン性の高いクロスを貼るという手法です。

全面に貼る場合と比べて、次のような特長があります。

①圧迫感が少なく万人受けしやすい
②希少性・オシャレ度の向上
③下部のみ張り替えで費用節約


デザイン性の高いクロスを壁の全面に貼りつけると、見た目のインパクトが強いために好みが別れ、逆に機会損失を起こしてしまうケースも出てきます。その点、腰高施工であればインパクトを抑えながらオシャレさを演出できるほか、差別化されたデザインによって入居者に訴求することが可能です。

また、壁クロスは上部よりも下部のほうがダメージを負いやすい傾向があります。見切り材でクロスが上下に分かれていれば、原状回復の際も「下部だけ張り替え」といった節約が可能に。最初から傷や汚れに強い素材を使用しておけば、クロスの張り替え頻度自体を下げることもできそうです。

このように、工夫次第で高いコストパフォーマンスを期待できるアクセントクロス。貼る場所や方法を工夫して、ワンランク上の空室対策を目指してみてはいかがでしょうか。

2020年07月28日