賃貸経営者も必読 サブリース事業適正化ガイドラインとは

賃貸管理業に対する初めての法規制「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」の公布から6ヶ月。いよいよ12月15日からはサブリース関連の規制が始まりますが、国交省は10月16日、これに先立つ形でサブリース事業適正化のためのガイドラインを公表しました。

サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドラインのポイント
 ☑1.規制の対象となる「勧誘者」の明確化
 ☑2.禁止される誇大広告・不当勧誘の明確化
 ☑3.オーナーに説明すべき家賃減額リスク等の内容の明確化

経営の安定化や所有と経営の分離が叶うなど、適正なサブリースには多くのメリットがありますが、過去にはあたかもノーリスクで利益を得られるかのように謳う不当な勧誘も横行し、話に乗ってしまった賃貸経営者が返済不能に陥るなどトラブルが多発していました。

そこで今回のガイドラインでは、まず「勧誘者」と「勧誘・広告の方法」を明確化。新法はサブリース業者のみならず、売買や建築請負でかかわった際にマスターリース(※)を勧めた不動産会社・建築会社等も「勧誘者」として規制しますが、その他どういった立場の個人・企業が勧誘者となるかが具体例と共に示されました。

また、広告等についても誇大広告・不当勧誘の具体例を明示。広告に「家賃保証」「空室保証」等と記載する際には家賃の見直し・減額のリスクについても併記しなければならない、勧誘の際には家賃減額リスクや契約期間中の契約解除の可能性、正当事由なしにはオーナーから解約できない事実などを隠して勧誘してはならない等々、新法施行後の規制対象事例が多数掲載されています。

違反者には業務停止命令や罰金などの措置が用意されており、これによって不誠実なサブリース契約・広告勧誘は一掃されるものと思われますが、ガイドラインは賃貸経営者の皆さまも自衛のためにご一読を。新法によって適正なサブリースが広がり、投資の選択肢が増えることに期待したいものです。

※ マスターリース:サブリース業者が物件を借り上げる際に不動産所有者と結ぶ賃貸  借契約のこと

国土交通省「サブリース事業適正化ガイドライン」

2020年11月19日