今年の雑草対策は攻める!?物件の印象もアップするお手軽グリーン活用術


夏が到来するたび、賃貸経営者を悩ませる雑草。雑草が生い茂った物件は入居者クレームが入りやすいだけでなく、内見のお客様にも「ちゃんと管理されていない物件」と悪印象を与えてしまうものです。その一方で、計画的かつ適度なグリーンは、物件に清涼感をもたらし、ナチュラルな魅力を与えてくれます。植物はコントロール次第、雑草は一掃するべきですが、ただ抜くだけ・むしるだけではないグリーンを取り入れた「攻めの植栽管理」を考えてみましょう!

■ 対策① グランドカバープランツ

グランドカバープランツとは、地面を覆うタイプの「見栄えのいい植物」の総称です。

実は、植物の世界も弱肉強食。植物は常に周囲の株と日光や土中の養分の奪い合いをしています。その争いを利用して雑草の繁茂を抑えるのが、グランドカバープランツによる雑草対策。つまり、雑草に先んじてグランドカバープランツを植えることで、あとから他の雑草が繁殖できないようにしてしまうのです。

扱いやすいグランドカバープランツの代表例は、シソ科で防虫効果のあるアジュガ、多肉植物のセダム、満開の時期は美しい芝桜など。これらは花が咲いて見栄えもよく、耐寒性があるので越冬も容易です。また、繁茂によって土埃や雨の日の泥はねを防止できるため、物件の汚れ対策にも貢献します。

注意点は、繁殖力の強い植物を選ぶと、想定以上に株が広がってしまうこと。雑草対策をしたつもりが、グランドカバープランツの手入れに追われるようになっては本末転倒です。よく見かけるミントやヒメイワダレソウ、シロツメクサなどは、爆発的に増える可能性があるので要注意です。

■ 対策② 付加価値付きの植物

雑草に先んじて植物を植えるなら、何かしらプラスアルファの付加価値がある植物を植えるのも面白いものです。たとえば、ゼラニウムやローズマリーは猫が匂いを嫌がるため猫避け対策になりますし、タイムやカレンソウといったハーブはその防虫効果から、ゴキブリや蚊、ハエ、ダニ、ナメクジ、ムカデなどを遠ざけるといいます。

注意点は、グランドカバープランツと同様、繁殖力の強さ。地面に直に植えずに鉢植えにすれば過度な繁殖は防止できます。統一感のある鉢植えを並べることで、物件の見た目の向上にもつながります。

■ 対策③ グリーンカーテン

植物で縦方向に物件を飾って、手軽にイメージ向上につながるのが、共用部や壁にネットを張って、そこに植物を這わせるグリーンカーテンです。見た目には外観の汚れや傷も隠れ、自然にできた木陰はエコで涼しげ。直射日光を遮るため省エネ効果も期待できます。

弱点は、グリーンカーテンとして緑が茂るまで手間と時間がかかること、初夏から秋口までの3~4ヶ月しか効果がないこと。つる性植物のアサガオやヘチマだけでなく、キュウリやゴーヤ、パッションフルーツなどは成果物を入居者におすそ分けという楽しみもあります。

■ 対策④ フェイクグリーン装飾

「植物の手入れは面倒だけど、物件にグリーンを取り入れて印象をよくしたい」そんな方にはフェイクグリーンによる装飾がおすすめです。近年は本物そっくりの造花が増え、おしゃれなカフェやヘアサロンでも導入が見られます。賃貸住宅においても共用部の雰囲気をワンランク上げる効果が期待できるでしょう。

メリットは、なんといっても水やりや剪定が不要で、一年中「ベストな見栄え」が持続する点。実物と違って「いつの間にか枯れていた」「においが発生」といったことも起こりません。導入コストは高めですが、数年間の生花管理コストと比較すれば前向きに検討できそうです。

そのほか、趣味がガーデニングなら物件の敷地も管理、生け花のスキルがあれば共用部を飾るなど、さまざまな対策が考えられます。元気よく雑草が伸びてしまう前に、アイデアを駆使して積極的な雑草対策・グリーン活用に取り組んでみてください。

2021年04月07日