目に見えない「嗅覚」の差別化でお手軽空室対策

ふと懐かしい香りを嗅いだ途端、当時の記憶や感情がまざまざと蘇ってくる…、そんな「においが記憶を呼び覚ます現象」を『プルースト効果』と呼ぶそうです。

嗅覚は視覚や聴覚と違い、脳の中でも快不快や喜怒哀楽といった「感情」を司る大脳辺縁系とつながっていて、また「記憶」を司る海馬にも信号を送ることから、五感の中でも人の印象に強く影響を与えるといいます。この嗅覚を利用して、競合物件より少しでも良い印象を残すお手軽な方法を考えてみましょう。

*ポイントは清潔感と清涼感

玄関を開けると同時に良い香りがしたなら、それだけで内見時の印象は変わります。香りの第一印象次第では、部屋の他の部分まで良いイメージで記憶に残る可能性も。逆に、ドアを開けてすぐにじめじめしたカビ臭さや不快な臭いがしたならどうでしょう。お部屋の印象も暗く湿ったものになってしまいかねません。

目に見えない嗅覚による第一印象の差別化策として、手軽な手段が室内に「芳香剤」「アロマ」を設置することです。電動式のディフューザーはブレーカーを落とすと止まってしまい、内見者が来るまで香りを発生させないので、据え置き型のリードディフューザーやストーンディフューザーがおすすめ。シューズボックスの上などに置くだけでインテリアとしても見栄えがして、価格も1000円以下からとお手軽、まさに一石二鳥です。


肝心の香りは、重厚感や甘さの強いものは避け、清潔感や清涼感を重視します。おすすめは石鹸の香りやシトラス、すっきりとした印象を与えるウッディ系ですが、どれだけ良い香りでも「トイレっぽさ」を感じる香りは逆効果ですので気をつけましょう。

湿度と温度が高まるこれからの季節、人はにおいに敏感になります。下水や排水口からの「一発NGのにおい」をシャットアウトするとともに、すてきな香りで記憶に残るお部屋づくりに挑戦してみてはいかがでしょうか。

2021年05月29日