短期決戦を勝ち抜く オンシーズンに間に合わせる空室対策5ステップ


今年も春の引っ越しシーズンを迎え、満室経営のチャンスが到来しました。年に一度の機会を逃さず確実に空室を埋めたいところですが、早いもので暦はもう2月。今からできる対策とその手順を確認しましょう。

【1】 ターゲットの見直しと拡大

この時期から4月の満室に間に合わせるなら、まず検討したいのが【募集ターゲットの拡大】です。特にコロナ禍のあおりを受けた学生・外国人向け物件は、ターゲットの見直しが必要なケースも多いはず。新たに高齢者、楽器演奏者、DIY希望者…などに募集の間口を広げれば、空室対策の選択肢にも幅が生まれます。小さなパイの奪い合いから値下げ合戦に巻き込まれ、結局は期間内に決まらない。そんな最悪のシナリオに陥らないよう、まずは多くの人に興味を持って見てもらえる可能性を高めましょう。

【2】新たな賃貸トレンドの採用で反響アップを狙う

個々の空室対策で留意したいのが【最近のトレンド】です。競合物件に見劣りしない最低限の設備を整えるのは当然として、反響獲得で一歩抜きん出るためには、入居者の注目を集めるトレンドの採用が不可欠。小さな工夫でもピンポイントで刺さる施策ならば効果大、短期で対応可能な施策例を紹介しましょう。

▶壁付けの折り畳みテーブル

コロナ関連のトレンドの中でも、自宅にテレワーク用スペースを求める声は、コロナ禍が明けた後も根強く残ると予想されます。

とはいえ、既存の間取りに新たにワークスペースを追加するのは難題です。そこでお勧めなのが【壁付け】できる折り畳み式のテーブル。設置にほとんどスペースを取らないうえに、入居者は「畳まれたテーブルを広げるだけ」で自由にプライベート空間と仕事場とを切り替えられます。キッチンまわりに取り付ければ、作業台や食事用テーブルとしても利用可。巣ごもり生活で増えた自炊派のニーズにも応えてくれそうです。

▶簡易防音室

大きくスペースを用意する対策としては、テレワークの快適性向上設備として、また自宅時間の充実アイテムとして注目を集めている【防音室】。近頃は工具不要の組み立て式簡易防音室も登場し、価格も10万円程度からとお手頃です。

在宅時間の増加とともに騒音トラブルが急増し、遮音性を求める声が高まっていますが、部屋全体の改良工事は大がかり。その点、組み立てるだけで完成する防音室なら短期決戦向きなうえ希少性も高く、反響獲得が期待できそうです。

▶高速インターネット

音と同様、コロナ禍で入居者が注目したのが【インターネットの速さ】です。ビデオ通話機能を用いたオンライン会議や商談、インターネットを使った映画鑑賞やゲームが一般化したことで、低速インターネットでは「仕事にならない」「楽しめない」という声が目立ち始めました。

インターネット無料物件が人気となって久しいですが、ワンランク上のストレスのないネット環境は周囲との差別化につながります。既に無料インターネットを導入済みなら、上位プランへの変更を検討しましょう。


【3】タイミングを逃さず賃料を適正化

設備投資の目途が立てば、次は【家賃の適正化】です。いくら設備を整えても、市場に比べて家賃が高すぎれば決まるものも決まりません。管理会社と相談し、エリアにおける適正賃料を探りましょう。

もちろん、SUUMOなどの不動産ポータルサイトから自力で市場調査をすることも可能ですが、注意したいのは、掲載されている家賃が必ずしも「成約賃料」ではないということ。契約の現場で数千円の家賃交渉が行なわれることは珍しくありません。競合物件の募集賃料を鵜呑みにせず、「実際に決まる適正賃料」を冷静に見極めたいものです。


【4】“賃料発生日対策”を特典として用意する

「決まる賃料」を設定したなら、成約を後押しするこの時期ならではの特典も用意したいところ。特に喜ばれるのは、実際の入居日までに発生してしまう【入居前家賃】の免除です。遠方から移住する学生などは、実際には住んでいない期間についても数万円の家賃を支払わなければなりません。そんな入居前家賃を免除する特典は、学生はもちろん、実際に支払いを担う親御さんからも高く評価されます。

それほど多くの反響が期待できない物件は、まずは「フリーレント〇ヶ月」で募集をして反響獲得を狙いましょう。反響が期待できる物件は、賃料発生日についての交渉条件を準備しておき、部屋を決める切り札として提示するといいでしょう。

【5】基本が重要。内見前の建物チェックを忘れずに

万全の準備を整えたなら、見逃したくないのが基本である【建物の美観】です。せっかく内見の機会が発生しても、肝心の物件が汚れていては契約を逃すことになりかねません。清掃の実施はもちろん、エントランスやごみ置き場、駐輪場など、内見者の目につきやすい共用部はきちんと整理しておきましょう。

また、内見者用にウェルカムセットを用意するのも一案です。寸法まで分かる詳細な間取り図やメジャーなどに加え、周辺の街情報を載せた「タウンマップ」を挟んであげれば、その部屋で暮らすイメージも湧きやすく、入居の後押しとなるでしょう。残された時間内でできる空室対策をしっかりと行ない、「満室の春」へとつなげていきましょう。

2022年01月20日